新郎新婦さんと初めてお会いし、打ち合わせをしている最中に「あ、これは絶対にいい時間になるな」と確信する瞬間があります。
それは、お二人が結婚式を挙げる「目的」がハッキリしているときです。
今の時代、SNSを開けば、トレンドの演出や卒花さんのアドバイスなど、沢山の情報が溢れています。
選択肢が多すぎて、準備が進むうちに「自分たちが本当にやりたかったことって何だっけ…?」と迷子になってしまう方は、実はとても多いと思います。
そんなとき「この結婚式で、何を大切にしたいか」という目的がしっかりと言葉になっていることが自分たちを助けてくれます。
「結婚式を挙げる理由」が、準備期間中ずっとお二人を支え、迷ったときにいつでも帰ってこられる「お守り」になってくれます。
例えば、お二人の目的が「家族に感謝を伝えること」だった場合…
披露宴の途中で親御様やご兄弟と歩く「中座」のシーンひとつをとっても、選択が変わってきます。
ただ名前を呼んで一緒に歩くだけではなく、「どうしてその人をエスコート役に選んだのか」という理由や想いがしっかりと相手に伝わるような選択を取るはずです。
そして、BGMも「自分の好きな曲だから」という理由ではなく、自分の気持ちや相手に感じてほしい感情が歌詞に表れていたり、目指す空気感に近い曲調を丁寧に選ぶようになります。
「本当にそれが伝えたいことを伝える手段としてベストなのか」
それを考えていくのが打合せの意味の一つだと思っています。
目的が「大切なゲストにゆったり過ごしてほしい」だった場合もあるでしょう。
そんな時は、たとえ準備の途中で「あの演出もやりたい、これも!」と内容を詰め込みたくなったとしても「でも、最初の目的は何だっけ?」と立ち返りましょう。
「ゆったりしてもらうためなら、この演出はあえてやらないで、歓談の時間にしよう」と、本当に大切な時間のために“進行を削る勇気”が出てきます。
ひとつひとつの選択に目的が宿っている進行表には、一本筋が通ったような「美しさ」があります。
感謝、感動、楽しさ、家族に、友達に、恩師に…
目的に含まれる要素は人それぞれですが、それによって達成するための道が見えてくるんです。
はじめは「なんとなく」でいいんです。
でも本番が近づくにつれて、少しずつ目的がハッキリしてきたとしたら、それは良い打合せができている証拠です。
素敵なプランナーさんと出会えているという事だと思います。
結婚式が「ゴール」ではなく、何かを叶えるための「手段」になった時、結婚式はこれ以上ない最高の価値を生み出します。
私は司会者として、当日マイクで喋るだけでなく、お二人が定めた大切な「目的」を受け止め、守り、形にしていきたいです。
お二人が「何のためにこの時間を使うのか」を話し合い、当日を迎えたあと少しでも未来がよくなる結婚式を迎えられる事を願っています。

